コーヒーのお味はいかが?
もし桐原先生が助けてくれなかったら、階段から落ちていたかもしれない。

また、悪い癖が出た。

あたしは考え過ぎると、周りが見えなくなる。


「助かりました。ありがとうございました」

「なんか、考え事?さっきから声かけてたけど、全然届いてなかったみたいだから」


嘘?!

全然気づかなかった。


「ちょっと」


あたしは、苦笑いを浮かべる。


「俺で良かったら、相談乗るけど?」

「え?」

「俺じゃ不服?」


綺麗な顔に、桐原先生は意地悪そうな笑みを浮かべる。


「あ、いえ。そうじゃなくて」

「ならご飯でも食いながら、どう?」

「あ、はぁ」


曖昧な返事をしたあたしに、「行こ」と微笑み、桐原先生は歩き出した。

そして流れで、桐原先生と一緒にご飯に行くことになった。

< 44 / 130 >

この作品をシェア

pagetop