コーヒーのお味はいかが?
こないだと同じお店で、今日はテーブルを挟んで座る。


「で、どうしたの?」


適当に注文をし終えると、桐原先生は尋ねる。


「仕事で悩んでる理緒に、ちゃんと答えてあげられなかったなぁと思って」

「岸本のことで、階段から落ちそうになるくらい悩んでたの?」

「あ、はい。なんか、昔の自分と重なって見えて」


恥ずかしくて、笑って誤魔化す。


「仲良いんだね、岸本と」

「どちらかと言うと、良いと思います」


何年も連絡を取ってなくても、会えば昔みたいに何でも話せる仲に戻れるくらいだし。


「なら、俺と君の仲は?」


桐原先生の言葉の意味が理解できず、何回か瞬きをし、桐原先生の様子を伺う。


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