コーヒーのお味はいかが?
「あの、えっと・・・その、すいません」

「うん?なんで、結可ちゃんが謝るの?」


なんでって聞かれても、うまく答えられない。


「結可ちゃんは、何も悪くないでしょ?それより・・・」


桐原先生は、あたしに合わせるように屈む。


「俺のこと、許してくれる?」

「ゆ、許すも何も、桐原先生は何も・・・それより失礼な態度取ってしまって、すいません」


ペコリと、小さく頭を下げる。


「なら、仲直り」


そう言うと、桐原先生は手を差し出す。

仲直りの握手?

そう思い、あたしは桐原先生の手を握る。


「ねぇ、1つ聞いても良い?」

「はい」

「好きな奴とか、いるの?」


また、さっきと同じ質問。

でも今度は、あたしの返事をちゃんと待っているようだ。


「好きな人も、彼氏も居ません」

「そう。なら良かった」


良かった?

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