コーヒーのお味はいかが?
桐原先生の言葉が理解できず、ジッと様子を伺う。


「そんなに見られると言いにくいんだけど」

「す、すいません」

「いや、謝らなくてもいいんだけど・・・」


それから、妙な沈黙が流れる。


「あのさ、俺の彼女になってくれませんか?」


彼女?

状況が飲み込めず、パチパチと何度も瞬きを繰り返す。


「あたし、ですか?」

「うん。ダメかな?」


ダメとかじゃくて、なぜあたしなのか理解できない。

これだけの容姿を持ち、且つ医者と言うブランドを持つ男だ。

どこにでもいるような、極普通な一般人のあたしが、こんな極上な男から告白されるなんてありえない。

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