コーヒーのお味はいかが?
「なら、ここを出たら、前みたいに呼んでくれるの?」

「かもしれませんね」

「なら、早く出よう」


そう言うと、あたしの手を引き歩き出す。

駐車場へと着くと、「乗って」と助手席のドアを開けられる。

あたしは促されるまま、車へと乗り込む。

あたしが乗り込んだの確認するとドアを閉め、湊も運転席へと乗り込んだ。
そのまま馴れたように、運転を始めた。


「今日、時間ある?」

「はい」

「なら、ご飯付き合ってよ」


「はい」と頷くあたしに笑みを浮かべ、湊はまた運転を続けた。

そして見覚えのあるレストランの駐車場に、車を停めた。

まさか、またここに来る日がくるなんて・・・

今のあたしの稼ぎじゃ、簡単には来られない高級レストラン。

さすが、お医者様。

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