コーヒーのお味はいかが?
「そっか。今の職場はどう?」

「大変なのは変わらないですけど、でも患者さんからの「ありがとう」の言葉に助けられました。看護師を続けてて良かったって思いました。だから、その・・・」

「うん?」


言葉を詰まらせたまひろちゃんに、あたしは首を傾げる。


「結可先輩みたいな優秀な人が、看護師を辞めるなんて勿体ないです。前の職場が悪かっただけで、働ける場所はたくさんあります。だから、また・・・看護師に戻ってきてください」


まひろちゃんの真っ直ぐな瞳に、嘘がつけなかった。


「いつかは、戻りたいとは思ってる」

「本当ですか?」

「うん。ただ今は、少し遠回りしてるだけ。あたし、看護師の仕事が好きで仕方ないみたいだから」


嬉しそうに笑みを浮かべるまひろちゃんにつられて、あたしも笑みを溢した。

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