コーヒーのお味はいかが?
__バンッ__


勢いよく、病室の扉が開かれる。


「お母さん!!」


お母さんのベッドへと、笑里と歩稀(ほまれ)と明都(あきと)が駆け寄る。

歩稀と明都は、煌樹や笑里と同じ残りの兄弟だ。


「あたしは1度、席を外しますね。失礼します」


まひろちゃんは気を利かせ、席を外す。


「父さんから、話は聞いた。大丈夫か?」


明都の優しさに、小さく頷く。

俺様煌樹や気の強い笑里とは違い、明都はとても気の利いた優しい男。


「あたしは、大丈夫」

「なら良かった」


そう言うと、明都は再びお母さんへと視線を戻す。


「この様子じゃ、結構厳しいな」


クールと言うか、冷めてると言うか、同じ兄弟でも不思議な歩稀が独り言のように呟く。

< 99 / 130 >

この作品をシェア

pagetop