狐に恋した男の子
猟師の言葉に、リュウハは目を見開く。そしてとある場所へと走っていった。



村の外れにある丘には、ススキが秋風に揺れている。リュウハはその場所を懸命に走った。

「ギユウ〜!!」

リュウハが叫ぶように何度も呼ぶと、「そんなに連呼しなくていい!」と苦笑しながらススキの中から女の子が姿を見せた。

背は、女の子の方が高い。金色の月を思わせるような長い髪に、紅色の着物を着ている。そして、ふわふわした耳と尻尾がついている。

「だって、言いたいことがあったんだ!!」

リュウハがそうはしゃぎながら言うと、「何?」と女の子ーーーギユウは微笑む。そしてリュウハに目線を合わせた。

「今夜ね、流星群が見えるんだって!一緒に見ようよ!」

そのリュウハの言葉に、ギユウは一瞬表情を曇らせる。そしてリュウハに申し訳なさそうに言った。

「リュウハ、私と一緒にいるところがバレたらどうなるかわからないよ?危ないから……」

「何で危ないの?」
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