氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

 ◇


「見つけた」

 昼休み。

「どこにいるかと思ったら。ここにいたんだ」

 教室にいないから探し回った結果、当麻氷河を図書室にて発見。

 アイツはイヤホンをして机に向かっていた。

 同じテーブルには誰も座っておらず、なんなら図書室そのものがガラガラだ。

「どうも」

 当麻氷河の向かいの席の椅子を引いて座るも、気付かれず。

「ちょっと」

 無視するな。

 それとも、大音量で音楽かけてて聞こえてない?

 相変わらず感じの悪いヤツめ。

「当麻くん」

 となりに移動してテキストを閉じてやる。

「わたしが会いに来たのにスルーするな」

 ついでにシャーペンも取り上げてやった。

 そこで、ようやく顔を上げた、当麻氷河。
< 12 / 617 >

この作品をシェア

pagetop