氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「そういうの、どこに売ってるの?」
「100均」
「そうなんだ!! それなら怒られないかも。さくらも買ってみていい?」

 別にわたしに許可とる必要ないのに。

 そうしなきゃ、あとで真似したって文句つける子もいるからかな。

「使ってみる?」
「いいのー!?」
「ていうか。家にまだあるし、あげる」
「ほんと? ありがとう!」

 そんなやり取りを見て、

「なーんか、いいことあった?」

 沙里がニッと口角をあげる。

「髪型も。いつもと雰囲気違うし」

 耳の下で、二つの、ゆるめの三つ編みを作った。

「こういうのが好きって言われた?」
「別にこれは……アイツを意識したわけじゃ」
「アイツってー!?」
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