氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 ――――?

「だから。そいつに必要以上に触れんのやめてくれませんか」

 なに、言ってるの?

「えー。もう降参?」
「引き受けたつもりもありませんが。それでいいです」
「負けを嫌う氷河が。そんなあっさり言っちゃっていいのかな」
「逃げる気も、譲る気もないんで」

 わたしの手をグイっと引いて、

「かかってくるなら正面からどうぞ」

 アイツはわたしを成澤から引き離したんだ。
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