氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「わたしには、あんたを落とせって言ってきた」

　真逆のこと言ってるよね。

「のったのか」
「のるわけないじゃん！　なんで人に命令されて男を落とさなきゃならないの」
「『どうせ無理だろうけど』『自信ないんだ？』と煽られでもすりゃ受けそうだからな」
「し……失礼な」
「最初は疑ってた。俺に近づいてくるのも、なにか企んでそうだって」
「……今は？」
「その心配はなさそうだ。と思っている」

　当麻氷河は。

「だってお前。俺のこと、好きだろ？」

　よくも悪くも正直すぎる。

「な、なにその俺様発言。上から目線！」
「俺は好きだ」

　まっすぐすきる。

「……え？」
「でなきゃ関わるかよ。お前みたいな面倒なやつ」