氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 英語の単語テスト(再試)の勉強しなきゃ。

 ただ覚えるだけの繰り返しだとモチベーションあがらないんだけど、仕方ない。

 アイスホッケーのことに関してなら、いくらでも調べたくなるし自然と覚えられる。

 新しい知識を増やせて嬉しくなる……のに。

 反則の数の多さには度肝を抜かれたが、ひとまずアイシングとオフサイドの理屈ならわかった。

 どのラインまでパックを飛ばしていいか、パックより先に入れないゾーンがあるといったような決まりのことなのだが――それを瞬時に見極め判定を下せるかというと、最初は判断に迷ってしまうかもしれない。

 ……ん?

 ちょっと待って。

 窓から見える、あそこ。

 道路を挟んだ、向かい側のガソリンスタンド。

 もしかして。

 あれが、アイツのバイト先……!?

「お待たせいたしました」
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