氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 半分は、なんとか頭につめこんだ。

 でも8割正解しないと許してもらえないだろうから、帰って残り3割をなんとしてでも覚えなきゃ。

「それじゃ」
「あ、うん」

 駅までは、あっという間だった。

「送ってくれてありがとう」
「家まで送ってやりたいが」
「大丈夫。うち駅からわりとすぐだし」
「暗いから気を付けろよ」
「……うん」

 心配、してくれてるのかな。

「っていうか、当麻氷河」

 さっきアイスホッケーの話をしたのに、そっぽ向いててさ。

 興味なしって感じで、いつもと様子違ったよね。

 どうしちゃったの。

「なんだ」

 練習と勉強とバイトでくたくたなんじゃ……?

「ほどほどに、頑張ってね」
「おう」
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