氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

　沙里もまた、わたしの特別だと感じている。

　あの子は、

『素直になったらいいのにって思う』

　言いにくいことも言ってくれる。

　わたしに好かれたいなら、調子のいいことだけ話せばいい。

　それができないわけではないだろう。

　そして、体調の悪いときは心から心配してくれる。

　【ともだち】とは、沙里のような子のことだって思った。

　恋をしたり友達を作ったり。

　そんな、小さな子供でも当たり前のようにできている――少なくともできているように見えたこと。

　わたし、やっと始められた気がするんだ。