氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 井上を殴り飛ばした当麻氷河が脳裏をよぎる。

「いや。アイツは……」
「好きなんでしょ?」

 もう、隠し通せない。

「両想いなんじゃなーい?」

 沙里には。

「……内緒にしてて欲しいんだけど」
「うん」
「付き合うことに。なった」
「そっか」
「驚かないの?」
「驚かないよ。そうなるって思ってたしね」
「言えなかったのは。沙里のこと信じてないとかじゃ、なくて。部内恋愛禁止ってルールがあって」
「え?」
「ほら、アイスホッケー部は文武両道でしょ。テストで赤点とったら活動できないし。恋愛も厳しいっぽい」
「あー、そういうことなら。もちろん内緒にしてるけど」

 ……けど?

「その人に知られちゃっていいの?」
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