氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 意識してるの、わたしだけかな。

 男女が――それも付き合っていて2人きりって、普通になにかあってもおかしくないというか。

 考えすぎ!?

「失礼、します」

 2階最奥のアイツの部屋のドアを開けると、中はすっきりと整理整頓されていた。

 こんなに綺麗なら、部室だってなんとかできるだろうに。

 わたしのマネージャーとしての初仕事は部室の大掃除かもしれない。

 そんなことを考えながら中へ進むと、写真やユニフォーム、メダル、トロフィーが飾ってあった。

 本棚にはスポーツ関連の雑誌や書籍が並んでいて、当麻氷河らしい部屋だな。

「……っ」

 当然、ベッドもある。

 ここで長くはない睡眠や仮眠をとっているのだな。
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