氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「結局それが自分のためでもあるからって考えなのだろうと思う」

 大好きな――素晴らしいと感じるものが衰退していく、なんてことになったらどれだけ寂しいだろう。

「ブログやSNSを活用し情報を個々が発信できる時代だ。利用しない手はないと考えたナリさんは、そんな情報の拡散の手伝いをしたり。ナリさん自身もまた発信できたらと考えている」

 ……成澤が?

「具体的には。なにを?」
「この前のクロスアイスもそうだ。他校のプレイヤーと試合以外で交流し、輪を広げ、互いの試合に呼んだり参加者が動画をネットにアップした結果。アイスホッケーの知名度も上がっていく」

 本人らのスキルアップや楽しみだけで終わらないの、素敵だと思う。

 ネットの力があれば、うまくいけば何十万、何百万人に情報を瞬く間に広められる。

「昔、日本でアイスホッケーのドラマが流行った」
「そうなの?」
「その影響でドラマが放送された年から数年はアイスホッケー部員の数も増えたらしい」
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