氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「くすぐったい……よ?」
「止めた方がいい?」
「……!!」
「俺は。もう少し、続けたい」

 続けるって……?

 どうすればいいの、わたしは。

「ふぁ……こらっ……」
「弱すぎだろ」
「ぎっ……ギブアップ!」
「もう?」

 こんな当麻氷河、知らない。

「ねえ……立ってられない……」

 力が、抜けちゃうよ。

「なら。横になれば」
「え……いや、」

 そっちの方が全身攻撃されそう。

「依里奈」

 耳元で囁かれた、甘い声。

 いったいどんな顔して呼んでるの?

「あんまり言うと。安売りみたいになるのが嫌なんだけど」
「……っ」
「好きだ」
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