氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 制服が脱がされてしまわないよう、死守する。

「なに抵抗してんだよ」
「はっ……恥ずかしすぎる」
「非力」

 両手を掴まれ、振りほどけない。

 シャツのボタンは上から3つ外されてしまっている。

「……見たいの?」
「見たい」

 即答しやがった。

「当麻氷河の、ムッツリ」
「『お前の身体死ぬほど興味ない』って答えて欲しかったか」

 ……それは悲しい。

「ヘンって。……思わないでね?」
「思うかよ」
「ねえ、わたしたち――悪い子すぎない?」

 テスト前なのに。

 付き合って間もないのに。

 家に帰る時間、なのに。

「白」

 ……見られるなら。

「もっとかわいい下着、つけてこれば良かった」

 こんなこと、してる。

「いや。シンプルな方が……俺は」

 好きなの?

「刺さる」
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