氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 最後までできなくて残念、とか思ってない?

「お前さ。もっと肉つけたら」
「す……スタミナ弁当に切り替える予定!」
「なんだそれ」
「わたしのお弁当食べたい?」
「ちょっと食いたい」
「ちょっと!?」
「……食いたい」

 今、何時だろう。

 きっと時間たってる……。

「弟くんたち帰ってきたら。マズいね」

 家には連絡したけど、

 勉強して帰るって言っただけに罪悪感が。

「当分帰ってこねーよ」

 家族に会ったら

 そのときは、わたしのこと彼女って紹介してくれる?

「もうちょっとこのままでいたい」

 当麻氷河に抱きつく。

「生殺し」
「はあ……?」
「ユニフォーム着て。スケート履いて。スティック持って。散らばったパックとゴールの乗った氷の上に立ってるのに練習止めらてるようなもん」

 たとえが当麻氷河らしい。

 ムードもなにもない。

「……そんなにシたい?」
「待つよ」

 重度のアイスホッケー脳だけど

「ありがと」

 この男が彼氏で良かった、と思わずにはいられなかった。
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