氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。

「……ギャク？」
「気に入られたからこそ。イジワルして入部を渋ったとか」
「そんな」
「うん。あり得る。あたしも天ちゃんも普通に入れたもん」
「いえ、わたし……が。悪いんです」
「どうして？」
「恋してるから。です」
「好きな人いるんだー？」
「というか。その……」
「付き合ってる？」
「はい」

　それも。

　ここの部員と。

「氷河に彼女かー」
「えっ」

　バレてる？　なんで？

「初めて会ったとき。こんな未来が来るとは思わなかったな」
「初めて会ったとき……？」
「あの一匹狼と」

　それって。

　当麻氷河のこと？

「えっと。3ヶ月前のこと、ですよね？」
「ちがうよ」

　……ちがう？

「氷河は、中学の頃から、うちで練習してた」

　――――!?

「正確にはナリと練習してた。ナリが氷河をうちの高校に呼ばなかったら、氷河は今このチームにいなかったよ」