氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
#01 極寒男
#01 極寒男
紙ヒコーキって、どうやって折るんだっけ。
「こんな感じ?」
飛行機、のようなものが折れた。
不細工だな……。 まあいいか。
「えい!」
それを、空高く投げる。
期待したようには、ふわりと浮いて飛んでくれなかった。
「あーあ」
大人になるにつれ、小さな頃にはできなかったことを、できるようになっていく。
そのぶん、あの頃当たり前のようにできたことが、できなくなったような気がする。
……純粋に人を好きになったり、信じたり。
「あーあ、じゃないだろう?」
頭の上から声が聞こえて振り向くと、そこには担任の井上がいた。
「纐纈。今なにを投げた」
「紙ヒコーキです。懐かしくないですかー?」
「まさかとは思うが。その紙……」
「なんか全然飛ばなくて。先生ならもっと飛ばせます?」
「今日までの進路希望調査じゃないよな?」
――ギクリ
紙ヒコーキって、どうやって折るんだっけ。
「こんな感じ?」
飛行機、のようなものが折れた。
不細工だな……。 まあいいか。
「えい!」
それを、空高く投げる。
期待したようには、ふわりと浮いて飛んでくれなかった。
「あーあ」
大人になるにつれ、小さな頃にはできなかったことを、できるようになっていく。
そのぶん、あの頃当たり前のようにできたことが、できなくなったような気がする。
……純粋に人を好きになったり、信じたり。
「あーあ、じゃないだろう?」
頭の上から声が聞こえて振り向くと、そこには担任の井上がいた。
「纐纈。今なにを投げた」
「紙ヒコーキです。懐かしくないですかー?」
「まさかとは思うが。その紙……」
「なんか全然飛ばなくて。先生ならもっと飛ばせます?」
「今日までの進路希望調査じゃないよな?」
――ギクリ