氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「スケート靴も、防具も、スティックも、他のプレイヤーと違うんすよね」

 新しい靴に買い換えることになるのか。
 買ったばかりなのに。

「そうだねえ。総重量けっこうあるから、あれで動けるようになるには相当カラダも作ってかないとダメだよ?」
「……はい」
「あと、他の選手と坂本のメニューが違うのは彼が自主的にそうしているからなんだけど。ゴーリーに適していると判断したこと優先させてる。ほら、ジャグリングしてるのもその一つ」

 坂本先輩は、ボールを使ってジャグリングしていることがある。

 あれはおそらく、パックを目で追うためのトレーニングになるのだろう。

「もちろん俺たちもバックアップするけど、あくまで攻める側の目線で、教えられることは限られている。力也さんや坂本を頼るだけじゃなく自分で学んでもらうことは非常に多いと思ってもらった方がいい。きっとそれは君が考えてるより孤独な戦いだよ。やれるの?」
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