氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 トイレから戻ると、当麻氷河は課題を着々と進めていて、成澤と真柴くんはソファにかけて雑誌を見ていた。

 ……休憩中?

「すごいでしょ」
「……ハイ」
「こういうの初めて見たとか言わないよね?」
「いや。初めてっすよ!?」
「またまたー。興味津々のクセに」
「き、興味あっても。簡単には買えない……ですし」
「通販ならいくらでも買える」

 おい。

「あげるよ」
「そ……そんな!」
「欲しいんでしょ? 遠慮しなくていいよ」

 なに読んでるんだ?

 やらしい本、真柴くんに見せてるんじゃないだろうな!?

「なにしてんの」
「あ、纐纈さん……」

 うしろから2人が眺めているそれを拝見する。

 なになに。

 ……全部英語でわけがわからん。

 そして載っている写真は、アイスホッケー選手。

「これ、海外の雑誌?」
「そうそう。この号に俺の好きなゴールテンダーのインタビューや特集が載ってたからマメシバくんに見せてあげてたんだ」

 成澤が持ってると健全な雑誌も18禁に見えてくる。

「貴重なものなので、いただけません。コピーとらせてください」
「いいよいいよ。全ページ頭に入ってるし」
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