氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「いやー、広いっすね! 迷いましたよ!」

 真柴くんが戻ってくると、

「マメシバこっちにおいで」

 成澤が手招きをした。

「なんすか……えっ、ちょっと」

 真柴くんのシャツをまくりあげる、成澤。

「なに触ってんすか……」
「感じてる? 俺相手に」
「っ!?」
「まあ君を満足させられる自信なら。なくもない。いや、余裕だね」
「ま、まんぞく……!?」

 やめろ。

「うん。やっぱりこの短期間でよく頑張ったよね」

 なにを始めたかと思ったら、真柴くんの筋肉を確認してるみたいだ。

「でも、もっと食った方がいいかな」
「うす!」

 成澤も褒めているが、もう真柴くんはヒョロガリとは言われないだろう。

「合宿中、たくさんトレーニングしてもらうことになるけど。その分、たくさん食べさせるから。そのつもりで」

 そうだ、合宿があるんだ。

「合宿ってどこであるんすか」
「うちの別荘」

 ……っ!?

「リンクまで近いし。スペシャルゲストも呼んでるから楽しみにしててよ」
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