氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 そもそもに今日は、課題を終わらせてしまおうという集まりだった。

 だからこうなるのもわかる。

 けどさ。

 気合い入れて服を選んで髪もセットしてきたのに、当麻氷河ときたら、かわいいの一言もないのはいかがなものか。

「書けたか」
「……まだ」

 花の女子高生なのに

 恋人同士なのに

 一日中、課題に追われて終わるなんて……!

「ノロマ」
「ひどい!!」 
「はやく終わらせろよ」
「それができたらやってる」
「お前がそれ終わるまで」
「終わるまで?」
「寝てる」

 ……は?

「わたしも眠い……!」
「オヤスミ」

 ソファに横たわってしまった。

 放置する気?

「……やればいいんでしょ。やれば」

 ひとりで大人しく勉強してますよーだ。
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