氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 それって、

 どんなけ緊張してんの。

「ツラいとか。痛いとか。そういうときは言って」

 わたしのこと大切に扱いすぎでは。

「……うん」

 手を引かれ、ベッドに誘導される。

「でんき」
「消した方がいい?」

 問いかけに頷いてみせると、アイツは、部屋全体のあかりを消しサイドテーブルの小さなランプを灯した。

 暗がりの部屋がほんのりオレンジがかってすごく綺麗。

「氷河くん」
「どうした」

 キスしてるだけ、なのに。

 キスは何度もしてるのに。

「ドキドキ……するね?」

 心臓が破裂しそう。

「そうだな」

 服の上からカラダに触れられ

 だんだん唇がおりてきて、

 くすぐったさが心地よさに変わる。

「氷河くん」
「ん」
「……すき」
「俺も」
「だいすき」
「俺の方が」
「また張り合ってるし」

 ――愛しい。 
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