氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 というか、むせた。

「なに動揺してんの」
「だって」
「さんざんしたろ。直接」
「……っ、ほんとにごめん。中途半端に終わらせて」
「無理すんな」
「ガッカリしてる?」
「100%してないと言えば。嘘になる」

 そうだよね。

 最後までしたいよね。

 期待してたよね、絶対。

「けど。急ぐ必要もないとも思う」
「……え?」
「お前が少しずつ俺を受け入れてくのも。悪くない」

 な、なにそれ。

「気持ち的には。あんたのぜんぶ。受け入れたいんだけどね」
「それを聞けただけで十分だ」

 なんでそんなに優しいの。

 男の子って、あれでしょ。

 途中で終わるとしんどいんだよね?

「やっぱり、もう少しやろう。わたしが今度はするから」
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