氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「あー、そっか」

 純粋な笑顔を向ける雪斗くんと、含み笑いを浮かべる時雨くん。

「じゃあ一緒にあそぼ!」
「え?」
「なにする。エリナちゃんゲームやったことある?」
「あんまりないかな。でも、簡単なのならできるかも……」
「僕は部屋で宿題でもしてこようかな」

 時雨くんが食器を持って立ち上がる。

「えー、時雨もやろ」
「はあ。空気読めないもんね、雪斗は」
「なにが?」
「耳かして」

 時雨くんからなにか耳打ちされると、顔を赤らめていく雪斗くん。

「俺、絶対ジャマしないから。風呂入って寝るから!」

 走って風呂場に向かった。

「なに吹き込んだお前」
「ナイショ」

 顔はそっくりなのに、つくづく性格がバラバラな兄弟だ。
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