氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 弟くんたちが2階にあがるとパーティーみたいに賑やかだった空間はシンと静まりかえった。

 ご馳走になったので、せめて後片付けだけでもと食器やグラスを洗ったあと、キッチンからリビングに向かう。

 俺もやるよって言われたけどアイツには休んでもらった。

「なにしてるの?」

 ソファにかける当麻氷河の隣に座り、携帯を覗く。

「ストーリー見てた」
「ストーリー?」
「インスタの」
「……わかんない」
「ずっと公開するやつじゃなくて。1日で消える動画とか写真」
「へえ」

 意外にそういうの、マメにチェックしてたり?

「アイスホッケーじゃん!……しかも。やってるの子供だね」

 アイツが見ていた動画は、スケート場でハンドリングを練習する少年らの様子だった。

 小学生くらいかなと思うが――

「うま!!」

 海外――おそらくは本場の子供たちだろう。

 さすが、レベル高い。
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