氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「ほんと? そう思う!?」

 画面から顔をあげると、

「思うよ」

 氷河くんが――……

「笑った」
「は?」
「今、笑った!」
「なんだよ。笑ったくらいで」
「珍しいもん。やっぱりアイスホッケーのことになると反応いいよね」
「いや。今のは、お前が」

 わたし?

「……かわいいなと。思って」
「え?」
「依里奈が」
「っ」
「おい」

 氷河くんの腕に、抱きつく。

「もっかい言って?」
「言うかよ」
「えー、なんで」
< 367 / 617 >

この作品をシェア

pagetop