氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 じっと見つめたら目をそらされた。

 こっち見てよ。

 ねえ。

 ――ドキドキしてよ

「氷河くん」

 膝の上にまたがって、

 わたしからアイツに唇を重ねる。

「……おい」

 キスしながらアイツのカラダに触れていく。

「待て」
「やだ」
「さすがにこれは。俺の理性に限界がくる」

 悪くないってことかな。

 うまくできてる?

「氷河くんも触っていいよ」

 さっきは、止めちゃったけど。

 今度は止めなくていいから。

「そうは言われても。2階にあいつらいるしな」
「……だよね」

 悪影響か。やっぱり。

「声。我慢できんの」
「……え」
「廊下挟んでるから隣り合ってはないし。音楽かけたら。……誤魔化せなくもない」
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