氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 ウソみたいにきてる。

「とりあえず通知、切っといた方がよくない? 使えなくなるかも」
「それもそうですね。でも。どこからそういうの設定するんでしたっけ」
「貸して」

 藍さんがわたしの代わりに通知オフに設定してくれる。

「故障……じゃ、ないですよね?」
「原因わかった」
「ほんとですか」
「ちょっと前にエリちゃんの写真が話題になってたでしょ」

 白鳥さんのカフェで撮られたやつか。

「はい」
「そのモデルの女の子が、このエリちゃんのアカウントだってこと。バレてる」

 ――は?

「なんで……」
「誰かが広めたとしか思えない」

 そんな。

 いったい誰が――

「ハイハ~イ。俺だよ」
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