氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 やっぱりモテるんだ。

「車もバイクも運転うまいもんねー、五十嵐くんは。当然女の子も乗りこなしてんでしょ? 特定の相手いないだけで」

 息を吐くようにセクハラすんな。

 って、あれ?

「大きなバイクって高校生乗れましたっけ」

 そもそもに車だって18にならないと免許とれないし。

 ま、まさか

 堂々と無免許運転……

「五十嵐くんは2年だけど18になってるからねぇ」

 オトナ!

「色々あって休学してたんだよね?」

 そうなんだ。

「その話はいいだろ」
「うーん。ヤル気満々だね」

 トレーニングウェア姿の五十嵐さんを上から下まで眺める成澤。

「カラダなまってるからな」
「それだけ?」
「なにが言いたい」
「別にぃー?」
「じゃあな」

 イガラシさんが行ってしまう。

「わたし、付き添わなくていいのかな」
「あー。アイちゃんに彼のお世話係にされた?」
「うん」
「俺のお世話係に変更ってことで」
「しないよ」

 それよりさっきのやり取りが気になる。

「イガラシさん。いいカラダしてるよね」
「あー。ムラっときた?」

 くるかよ。あんたじゃないんだから。
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