氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。


 ◇


「いただきます!!」

 昼食時、大盛りのカレーをすごい勢いで頬張っていたのは真柴くんだ。

「よく噛め」

 アイツのツッコミに、

「うす!」

 素直に返事している。

 真柴くんといるときのアイツ、雪斗くんの面倒みてるときみたいだな。

 同じ年だけど。

「おかわりあるよ。しっかり食べてね」
「も、もしかして。このカレーって……マネージャーさん3人のお手製っすか」
「そうだよ。ナリがシェフ呼ぶって言ってたけど贅沢してられないし、あたしが止めたの。文句ある?」

 懸命な判断です、藍さん。

 限られた予算でシェフ呼ぶなんて考えられませんから。

 成澤のおかげで贅沢プランを格安で利用できているわけだが、たとえ団体でも同じグレードの合宿しようと思ったら何倍もかかるにちがいない。

 とはいえ、お小遣い貯めておいてよかった。

「十分贅沢っす! いや、むしろ、なに食うよりもパワーでます。午後からも頑張れるっす!」

 やっぱりかわいいな、真柴くん。

 しかしまた一段とカラダ引き締まってる感じがする。

 部活がないときも自主トレを続けているのだろう。 
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