氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「ラスト。彼を止めたらパーフェクトだけど。さーて。どうなるかな」

 いよいよ、アイツの登場だ。


 背番号96番――当麻氷河


 この目にしっかり焼き付けておきたい。

 2人の戦いを。

 当麻氷河に刺激を受け、大きく揺れている、イガラシさん。

 アイツが今以上に彼を奮い立たせることができたなら。

 ひょっとすると――……

「やっ……たあ!!」

 叫んだのは藍さんだけじゃない。

 チームメイトがわいた。

 決して多くはない仲間たちが声をあげた。

 その声は場内に響き渡った。

 シュートを決めたアイツは嬉しげに微笑むとチームメイトにグータッチする。

 氷上でしか見られないアイツに胸が大きくときめいた。
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