氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 あんなに冷えたリンクの上でも、選手は大量に汗をかく。

 試合になると汗でベトベトになったシャツやソックス、防具などをピリオド間にマメに変える選手も少なくないそうで。

 たとえば第1ピリオドと第2ピリオドでグローブが変わっていたりするのはこれが理由という可能性も。

 そんなわけで洗濯物が思いのほか多いのだ。

 彼らの洗濯物をするのもまたマネージャーの仕事の一つである。

「あれ。洗い物は?」
「そ、そんなの自分がしますよ……!?」

 洗濯物を出すのを躊躇う真柴くん。

「遠慮しないで。タオルとかソックス、毎日洗った方がいいよね。荷物かさばるしそんなに多めに持ってこられなかったでしょ?」

 今のうちに洗っておけばローテーションできる。

「悪いっす」
「みんなには頑張ってもらいたいの。練習の合間にゆっくりできる時間は限られてるし。これも応援だと思って預けてね」
「ぱ……パンツもっすか?」
「うん」
「手で洗いますよ!?」
「乙女か」

 顔を赤くさせた真柴くんに、うしろからやってきてチョップしたのは坂本先輩。
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