氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 こうなったらタダ食いして帰ってやる。

 あまり気が進まないが。

 スイーツっていうよりは、なんでもありなバイキング。

 イタリアンも、和食も、中華も。

 ……やっぱり食べる気になれないが。

 サラダバーならいけそう。

 とりあえずドリンクだ。

 席をたつと、

「あたしも行く」

 続いて一人の女の子が立ち上がり、二人でドリンクバーに向かう。

「乾杯は、みんなお茶で。次から各自に取りに行かせよう」
「はい」

 口許にほくろのある黒髪美人がなれた様子でグラスに氷を入れていくので、わたしはそれにウーロン茶を注ぎトレイに乗せていたら。

 クールビューティーな彼女は、鋭い目をわたしに向けた。

「ところであなた。ナリのなに?」

 ……なに、と。聞かれましても。

「後輩です」
「それだけ?」
「え……はい」

 それ以下ではあっても、それ以上になることはありません。

「単刀直入に聞くけど。寝た?」
「ネタ?」
「まだ?」
「……っ!? は?」
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