氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「だ、だって。ばあちゃんに洗ってもらうのとは。わけが違うっす!」
「純情か」

 仲よさそう。

 それもそうか。

 今日一緒に力也さんからゴーリーのレッスン受けてたもんな。

 坂本先輩が、かごに「よろしくね」と洗濯物を入れた。

「坂本先輩は……なにも知らないから平気で洗濯物をあずけられるんすよ」
「知らないって?」
「纐纈さん。1年の男子からどんな扱い受けてるか」

 ん?

「知らないな。どんな扱い受けてるの?」
「お姫様っす」
「なるほどね」
「女王様っていうやつもいますからね!?」

 そんな扱いしてくるのは一部のM属性の男子と井上くらいだ。

「それは知らなかったな。よろしく頼みますね、お姫様。いや。俺がお運びしましょうか」
「マネージャーとして扱ってください……!」
「かしこまりました」

 坂本さんってこんなにノリいいんだな。

「余計なこと言わなくていいから、真柴くんも」
「う、うす!」
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