氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 合宿に来たことで、みんなの距離が一気に縮まったように感じるよ。

 次の部屋に向かおうとしたとき、

「なんで最後。手ぇ抜いた」

 イガラシさんの声が聞こえてきた。

 廊下で誰かと話しているんだ。

 最後?

 ……最後って、まさか。

「フェアじゃないと思ったので」

 ――話し相手は、アイツだ

「100本。付き合ってください」

 ――――!?

「3時からの練習。待ってますから」
「無茶苦茶だな。100本って」
「とりあえず100本です」
「受けると思ってんの」
「全然足りない。もっと氷の上に立ちたいって感じてますよね」
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