氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 2人の会話を聞いて、わたしまで胸が高鳴る。

 また勝負するんだ……!!

 すごく見たい。生で。

 でも寝ておかなきゃ朝が辛くなる。

 カラダが二つあればいいのに。

「限界かもなあ」
「ひっ」
「そう思わない? エリナちゃん」

 耳元で声が聞こえた。

 ついでに、ふうっと息もふきかけられた。

「成澤……!」

 いきなりヘンな現れ方をするな。

「ナリ先輩でいーよ?」
「呼ばないし」
「アイちゃんから聞いた。俺を成澤先輩って呼んで応援してくれてたそうじゃん」

 わざわざ本人に言わなくていいことを。

「1本も入れられなかったのは悔しかったな~。3本でエリナちゃんのおっぱい揉めたのに」
「許可するわけないだろうが」
「ケチー。減るもんでもないのに」
「あんたに触られてもいい子ならいくらでも……」
「興味ないよもう。他の子は」

 ……女遊び。

 本当に、やめるつもり?

「なんだかんだ楽しんでたよね、イガラシさんとの一騎討ち」

 いい顔してたね。

 成澤も、イガラシさんも。
< 462 / 617 >

この作品をシェア

pagetop