氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 わたしを貰いたいとか。

 いっそ3人で付き合いたいとか。

 好きだとか言っておいてさ。

 突き放すようなこと、してくる。

 そのたびにどんな反応をしていいか戸惑ってしまう。

 あなたを自分が傷つけていると思い知る。

「男って。いっかい出すと、200メートルを全力疾走したときと同じくらいのエネルギーを消費するんだけど」

 ――……だす?

「なんの話?」
「エリナちゃんが知らなさそうな保健の授業」

 …………!?

「氷河って、どう? 早いの? それとも遅い?」
「知らないよ!」

 たしかにわたしの知らない知識だけど、いきなりそんな話をふるな。

 いや、生命の神秘か?

 わりと真面目なことなのに、成澤がいうから下ネタっぽく聞こえるだけ?

「いっかいじゃ終わってくれないんじゃない?」
「そういうこと聞くな。バカ」
「あー……。なんか、したくなってきた」
「バカなの!?」
「はは。困ってる。かーわい」

 頭を撫でてくる。
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