氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「話を戻しますと。いかに時間をうまく使えるかどうかが、要ですよね」

 時間の使い方かあ。

 ……下手だな。わたしは。

「文武両道をかかげている、そこそこ強いアイスホッケー部に所属している大学生のAくんは。講義とレポートに日々追われ。一人暮らしなので家事全般もこなし。仕送りだけで生活できないのでバイトもしています。もちろん質のいい睡眠と食事を抜くこともできません」

 なにこれ。

 実話?

「彼はきちんと自分で予定を決め、何時に練習が入っても対応できます。するしかないんです。ある意味真夜中に氷上練習が入ると他の予定とかぶりにくいので都合いいとさえ考えてしまう楽観的な性格で。体力や精神力があり。健康管理もしっかりできているので潰れずに済んでいます」

 猛者なの?

 過酷な環境下でアイスホッケーを続ける大学生のAくんに脱帽だ。
< 496 / 617 >

この作品をシェア

pagetop