氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
#07 選択肢
#07 選択肢


 駐車場には、車が二台用意されていた。

「エリナちゃんは。俺と一緒ね」

 成澤にエスコートされ、ワゴン車に乗り込む。

「……車で向かうの?」
「そうだよ。なにせ荷物がね」

 見ると、大きなスポーツバッグがつんであった。

「こんなに持ち物あるんだ?」
「装備品が色々と。スティックもあるから」
「……スティック。これ?」

 野球のバットよりもずっと長い、ゴルフクラブとはまた違う形状の棒を発見。

 これらを自転車で運ぶのは大変そう。

 電車やバスも混雑してたら持ち込むの躊躇うだろうし、車がないと移動は難しいのだろう。

「そうそう」
「これを使って……。なにをするの」

 全然想像できないんだけど。

「それは見てのお楽しみってことで」

 運転席に座ったのは、リキヤさん。

 免許あるの?

 すごいなあ。大人って感じ。

「ナリ」

 藍さんが乗り込んでくる。

「ちゃんと説明した? 帰り遅くなるって」
< 53 / 617 >

この作品をシェア

pagetop