氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「はい、これ」

 天ちゃんが、真柴くんになにか手渡した。

 プロテインかなと思ったけど違った。

「ブルーベリーっすか」

 サプリメントのようだ。

 なんだか目に良さそうだが。

「あげる」
「あざっす!!」

 パックを追いやすくなったりする効果があるのかも。

「初心者のあなたが――それも強豪校相手の試合で大活躍することは、誰も期待してない」

 なんてこと言うの……!?

「闇雲に打って決められるほど甘くない。下手くそが10回シュートしようと20回シュートしようと入らない」

 【でも】――と、天ちゃんは続けた。

「粘り強く守ることはできる」

 …………!

「今からソワソワしてどうするの」

 ひょっとして天ちゃん。

 真柴くんの力を抜こうとして……?

「ただでさえ舐められそうなのに。もっと気合い入れなさいよ」
「うす!」
< 561 / 617 >

この作品をシェア

pagetop