氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 別荘に戻り、シャワーを浴びた人から眠りについた。

 早朝にはここを発つ。

 それまでに荷造りを終えなければならないわけで、部屋に戻ると荷物をつめた。

 なんだろう。

 まだ、興奮が冷めないっていうか。

 いつまでも試合の余韻に浸っている感覚。

「……あ」

 お風呂あがりにベランダに出ると、となりのベランダで、アイツが涼んでいた。

「おつかれ」
「パワープレイのチャンスを生かしてしっかり点を稼いでおけなかったのは痛手だった」

 格上相手に3点差でおさえられ、自分は得点まで決めたというのに、さっそく振り返り反省点をあげるなんて当麻氷河らしい。

「すごかった。ミラクルショット。あんなシュートがあるなんて予想外だった!」
< 609 / 617 >

この作品をシェア

pagetop