氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 ――トクベツ?

「なに。その、特別な理由って」
「本気で欲しがってるのかもな」
「……なにを」
「纐纈さんを」

 わたしを?

「あげない……!!」
「今、二人だけで。そのうち一人が高校からアイスホッケーを知った初心者」

 んん?

「うちの部に必要な人材だと目をつけているような気がする」

 それって、ひょっとしてマネージャーの話?

「え……待って。わたし。ド素人だよ」
「追えていたらしいな」
「……え?」
「あのスピード感に、いきなりついていけるのは、たいしたものだ」

 そういうものなの?

「どうする」

 当麻氷河が顔をあげ、わたしの目を見てくる。

「誘われたら」
「……そんなこと。本当に、成澤が考えてるの?」
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