氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「「わらった!」」

 成澤とわたしの声が重なった。

 その瞬間、

「……は?」

 当麻氷河が無表情に戻った。

 惜しい。

 まだまだ崩しきれていない。

 アイスホッケーするときみたいな顔は、わたしには見せてくれていない。

 見せて欲しいのに。

「エリナちゃん」

 成澤が、あることを耳打ちしてくる。

「……なんで?」
「いいから」
「やだ」
「お願い」

 そんな成澤とわたしのやり取りを、顔を背けるアイツ。
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