あなたの隣にいてもいいですか
二人が帰った後、また母が大雅君の話をしてきた。

「今日一緒のコは大雅君のお友達?」

「会社の同期だって」

「大雅君と雰囲気似てるけど、大雅君のほうがいいね」

「・・・・・」

母はりえちゃんと一緒に遊びに来た時から大雅君のことは気に入っている。りえちゃんと別れたんだからあんたが付き合えばいい、くらいのことを平気で言っているが、りえちゃんはまだ大雅君のことが好きなのだ。それに、大雅君はもうすぐ留学してしまう。

大雅君は今の私の生活で誰よりも近くにいる人だ。今、私の側から大雅君がいなくなるなんて、考えたくもない。だけど、留学するまでの間、大雅君とサヨナラする準備を少しずつしなくてはならない。ずっと前から私は大雅君のことが好きになっていた。だけど、この気持ちは封印したまま、大雅君を送り出そうと決めていた。

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